2017年07月01日

●風間旅人随想(2017/06)(19/26) - HMU 達弥西心

奥さんには友だちがいて、悶々としているときに会います。「ご主人が帰って来てよかったね」「うん」「でも、暗いじゃない」「うん」「言っておくけど、ヒロちゃんが入院していたことは黙っていた方がいいよ。どうせお金はどうしたんだって聞かれるから」「私、しゃべっちゃった」「なんでしゃべったの?ウソをつき通した方がいいんじゃない。知ることによって幸せにはなれないでしょう」と言う。「でも、私たち夫婦は何も隠し事なく生きてきたの。だから私は言うことしかできなくって、言ったの」と言うのです。「バカねえ」と言いながら話は進んで行くのですけれども。


oitokuyo at 08:04|PermalinkHMU 達弥西心 

2017年06月30日

●風間旅人随想(2017/06)(18/26) - HMU 達弥西心

主人がその店に行ったときに案内してくれたおばさんに聞いたことは、「何とかっていうのが来なかったか?客じゃなくて」「来ましたよ」「何度来たのか?」「一度っきりでしたよ」と言われて、そこで一つ安心するわけです。


oitokuyo at 08:00|PermalinkHMU 達弥西心 

2017年06月29日

●風間旅人随想(2017/06)(17/26) - HMU 達弥西心

奥さんは這うようにして階段を上がって行って、そこで主人が同僚に言われた言葉をそのまま言います。「忘れろ。思い出すことすらするな。三人でがんばっていこう」と言うのです。


oitokuyo at 08:00|PermalinkHMU 達弥西心 

2017年06月28日

●風間旅人随想(2017/06)(16/26) - HMU 達弥西心

そうするしかないなと思いながら家に帰ります。だけど落ち着かない。帰ったのだけどすぐに「出て行く」と言ったときに、奥さんが泣いてすがって、「あなたの苦しい顔を見るのは辛い。私がバカだった。あなたの気がすむように私を叩くなりなんなりして。その顔を見るのが辛い」、「離せ!」と言っているところに、はしごみたいに急な階段から突き落とされて奥さんがころげ落ちるのです。下にバターン!と落ちた。奥さんは足をケガします。階段の上には仁王立ちしている夫。そして落ちた妻がいるのですが、「おい、大丈夫か?」と声を掛けるのですが降りて行って介抱することはしません。


oitokuyo at 08:00|PermalinkHMU 達弥西心 

2017年06月27日

●風間旅人随想(2017/06)(15/26) - HMU 達弥西心

それでこの男(主人)が、「それは大変だね」という話から、「働く気はあるのか?」と聞くと「それはあります」と言う。「何とかしてやろう」と言って、工場の同僚に話をつけにいくわけです。「雇ってやってくれ。困っているし。21なんだよ」と言う。その話のついでで、「おまえは何でこんなことをするんだ」という話になって、ポロッとその同僚に打ち明ける。そうしたらその男が、「もう済んでしまったことだし、それしか道がなかったんだよ。全部記憶から消せ」と言います。「忘れるというよりも、思い出すことすらするな」と言って叱るのです。


oitokuyo at 08:00|PermalinkHMU 達弥西心 

2017年06月26日

●風間旅人随想(2017/06)(14/26) - HMU 達弥西心

帰るのですが家には帰れなくて、まだ空襲の跡が残るような土手で大きな川をいく舟をずっと眺めています。そこにその21歳の女がやって来る。「何でここがわかったんだ?」と聞くと、「わかったんじゃない。ここは私の居場所」と言います。「ここで何してるんだ?」と聞くと、朝からずっとここにいて、お弁当を持って来るのだそうです。それでお客さんが来て声が掛かるとその家に行くということでした。「店の人は私がここにいるというのを知っているから。さっきもここにいた」と言う。それでお弁当を出して、「私が作ったんだからおいしくないよ」と言いながら分けて、話をするわけです。


oitokuyo at 08:03|PermalinkHMU 達弥西心 

2017年06月25日

●風間旅人随想(2017/06)(13/26) - HMU 達弥西心

主人が行ってみたらそこはいわゆる売春家(曖昧宿)です。派遣された女の人がやって来ます。それで主人が女に「君はいくつか?」と尋ねる。「21です」。「どうしてこんなことをしているんだ」と聞く。「女房がどういうつもりでしたのか聞きたくてね」そのうち隣の小学校から子どもたちの歌声が聞こえる。女が「私、ここを卒業したのよ」と言います。「君みたいな若い子がこんなことをしてちゃいけない。家族は?」と聞くと、「お父さんが病気で家にいて弟が一人。母親は死んだ。私が支えないと家は食べていけない」「そのくらいの年令だったら働くところくらいあるだろう?」と聞くと、「でも、ここに私を呼んだようにあなたもそうだけど、蔑んだような目で見られる。そんな中で働くなんてできません」という話です。それで主人は黙ったままポケットから有り金を全部出して置いて、そのまま帰るのです。


oitokuyo at 07:59|PermalinkHMU 達弥西心 

2017年06月24日

●風間旅人随想(2017/06)(12/26) - HMU 達弥西心

そしてポッと家に帰って来て女房に聞きます。「場所はどこだ?」と場所だけを聞く。女房は「ここで、ここで」とすべてをしゃべります。それを聞き出して小学校の隣のその家を訪ねて行くのです。嫉妬に狂っているわけです。行ったとしても片付きはしないのですが、そこでお金を得て入院費を払っているわけですから、一件落着している話なのですけれども。


oitokuyo at 08:00|PermalinkHMU 達弥西心 

2017年06月23日

●風間旅人随想(2017/06)(11/26) - HMU 達弥西心

それしかないというのも主人はわかるのですが、許せない。そして夫は家に帰らなくなるのです。工場の同僚のところに行っていました。その同僚に「どうしたんだ?」と聞かれるのですがしゃべらない。自分の中で収めようとするのですけれどもどうしても収まりません。


oitokuyo at 08:00|PermalinkHMU 達弥西心 

2017年06月22日

●風間旅人随想(2017/06)(10/26) - HMU 達弥西心

「大変だったろう?」、「ええ、まあ」。「子どもは元気だったのか?」と聞かれて、思わずポロッとしゃべってしまいます。「病気をしたの。熱があって、それは良くなったけど」と言う。そこで止めておけばよかったのに、もう一つの話をする。「入院したの」と。主人はすぐに「お金はどうした?」と聞きます。当然「払った」とは言うのですが、「どうやって?」と聞くわけです。そこで泣き崩れるのです。「ごめんなさい」と言って。


oitokuyo at 08:01|PermalinkHMU 達弥西心